~無煙ロースターによる火災が全国的に増加しています。~
最近の焼肉店等では煙が少なく、衣服等に臭いが付かず、店内も清潔に保てることから無煙ロースターを設置するお店が増加しています。
このような状況の中、無煙ロースターからの出火が全国的に増加しております。
(出火原因について)
過去の出火原因を見てみると、
1、飲食中に焼き網上の肉に着火した炎が吸気口から吸引され、ロースター内部に堆積した油脂に着火、防火ダンパが作動せずに排気ダクト内で出火するケース。又、古いタイプの無煙ロースターでは防火ダンパが作動しても機器の隙間から炎が噴出し、出火するケース。
2、壁内、床下の排気ダクトと木製の建築材が接する又は、接近していた場合に低温着火し、出火に至るケース。
※低温着火とは、木材に熱が加わると含まれている水分が徐々に減少して炭化します。その結果、通常400℃から500℃である木材の着火温度が低くなり100℃で着火することがあります。この現象を低温着火と呼んでいます。
(離隔距離の不足から木製の建築材が炭化している様子)
無煙ロースターからの出火を予防するためには
無煙ロースターからの出火を予防するためには、日常的な清掃と離隔距離の確保が大切です。
ポイント1 機器内部(特に防火ダンパ)を清掃しましょう
ポイント2 排気ダクトと可燃性の部分との間に10cm以上の離隔距離を確保するか、
金属以外の不燃材料で有効にダクトを被覆しましょう
ポイント3 床下に設置した排気ダクトについても定期的に洗浄しましょう
無煙ロースターの部品の清掃は、各メーカーにより定められた方法で日常的に実施します。又、床下のダクトについては、ご自身での清掃が困難なため定期的にメーカー又は清掃業者に依頼してください。
※、排気ダクトが床下から壁内に設置されている無煙ロースターから出火すると、床、壁等を破壊しての消火作業となり、お店の改修が必要となり、多大な損害が生じる可能性があります。
無煙ロースターに限らず、レンジフード・換気ダクト等の厨房機器は、油脂やほこりがたまりやすく、汚れがひどくなるとCO(一酸化炭素)中毒事故や火災につながる危険性があります。
日頃の清掃や定期的なメンテナンスをきちんと行いましょう。