近年、電気を起因とする火災が急増しています。その原因の一つとして「トラッキング」という言葉を耳にされたことがあると思います。
今回は、「トラッキング」とは何か?そして、少し専門的な話になりますが「トラッキング」が発生するメカニズムについてということと、それを知ることによってできる火災予防対策について書いてみたいと思います。
「トラッキング」とは?
「トラッキング」に対する皆さんのイメージは、「コンセントにほこりが溜まったままにしておくと火災になる」といった感じだと思います。
それでは、「トラッキング」の様子を下記のリンクからご覧ください。
「トラッキング」発生のメカニズム
ここからは少し専門的な話になりますのでご了承ください。
コンセントプラグの差し刃の間にほこりが溜まりそのほこりが水分を含んだりすると、微小な放電(シンチレーション)が起こります。この時、本来電気を通さないはずの差し刃間の絶縁物が電気を通す物質に変化(グラファイト化)します。長い期間を経てこのグラファイト化が他方の差し刃に向けて繰り返されると、電気を通す物質の「トラック」が形成されショートします。これが、「トラッキング」の発生メカニズムです。
では、その様子を下記のリンクでご覧ください。
いかがでしたか?何となくイメージがわいたと思います。
つまり、コンセントプラグのトラッキング火災を防ぐには、差し刃間の素材をグラファイト化が起きにくい素材にしてやればいいということです。実際に、現在国内基準で生産されている商品はこのような耐トラッキング性が義務付けられています。